事業者による説明会が開かれ、反対意見が相次ぎました
ミヤテレNEWSでの報道 https://news.ntv.co.jp/n/mmt/category/society/mmc3bc366e1c80433fbf70091cd87860c9
NHKでの報道 /https://www3.nhk.or.jp/lnews/sendai/20250515/6000031289.html
東急不動産株式会社による、気仙沼市民の森での風力発電所計画 準備書の説明会が開かれ、参加してきました。約120人の参加があり、主催者が準備した机イスが足りなくなるくらい、会場は満席になりました。
メディアも取材に来ましたが、映像などは「冒頭の事業者からの説明のみ」で市民からの発言は映像を許可されなかったので、代わりにメモ記録を元にご報告します。
始めは東急とアセスメント調査担当の日本気象協会からの説明。東急社員が「地域共生事例」、東急から気仙沼への支援・寄付等の関係、地域振興・活性化アイデア等について説明。続いて日本気象協会から、環境影響評価(アセスメント)調査・予測の結果、「環境影響評価が実行可能な範囲で回避又は低減されているか、環境保全についての配慮が適正になされていると評価」と報告がありました。
市民からの質問と意見の部では、近隣自治会会長の「断固反対、中止撤退を求める」怒りの発言を皮切りに、市民からの疑問・懸念・反対・中止を求める意見が続々と続きました。条件付きで賛成の人が1人、調査を継続してという人が1人、それ以外の数十名の意見は全て反対・中止を求める意見でした。当初90分の予定の会が、3時間を超えるくらい反対意見が相次ぎましたが、参加者はほぼ全員が最後まで残り聞き届けました。
「市民の森を壊すな」「気仙沼の自然と住民への敬意がない計画は中止せよ」などの反対意見には何度も拍手や同意声援が重なり、事業者の曖昧な答弁に対しては「答えになってないぞ」「市民の感情を無視するな」「調査が杜撰だ」「気仙沼をバカにするな」「所詮は儲け」と反論・ヤジ・怒声(ときに怒号)が飛び交い、事業者とアセス担当者の回答がしどろもどろになるなど、紛糾・大荒れの様相を呈しました。(とは言え、市民は聞くべきところではちゃんと聞く良識的対応でした、抑えきれない疑念や怒りを表現した感じです)メディアの方が「こんなに発言の初めから荒れる説明会は珍しいね」と話している声が聞こえました。
以下、メモ記録・記憶している発言の主旨
・計画地近くに住んでいる、私たちの安心なくらし、豊かな自然、歴史ある風土を壊すな!
・「共生」「公益」と言っているが、売電だから、結局儲けが目的だ。
・9177筆以上の反対署名で、既に「住民合意」の前提が崩れている。まだ「地域共生」と言い続けるならウソになる。
・気仙沼市の再エネの方針は地域共生、持続可能だ。この計画は根本的にそぐわない
・議論が噴出した新月ダムは、結局中止した。そのおかげで、今日の新月は栄えた。
・「森は海の恋人」の通り、気仙沼は山・森と海のつながりを大事にしてきた。海を大事にするなら、山と森林の大改変は容認できない
・「環境教育」ならば、人里離れた既設4基の風発で既に十分、祖先が大切に守ってきた豊かな自然に子供たちがふれてもらうのが何よりの環境教育、未来の子どもたちへ豊かな自然を受け渡そう
・気仙沼の自然・風土・くらし・文化・理念へのリスペクトがあってこその「地域共生」、この計画には気仙沼へのリスペクトが全く感じられないから「地域共生」ではない
・事業者は観測・予測数値が「基準値を超えず適正」と言うが、市民の森駐車場近隣の8号機は視野角何度か?(事業者は答えられなかった)相当の圧迫感だろう。数値だけで適正とする姿勢が、市民の実感に全くつり合っていない、ズレている
・準備書が1400ページあっても、砂防指定地の調査と対応については、全く書かれていないのはなぜ(事業者は「これから調査します」と回答)
・雨が多くても土砂崩れはないという現地調査だが、どれくらい(何ミリ)の雨のときに調査したのか?(気象協会の担当はわからなかったようでしどろもどろ)
・低周波と風車の影が心配な2Kmの範囲に数百人の住宅が含まれていて、私もごく近い。健康被害の可能性がある巨大風車は絶対に建てるべきではない
・私も、既設4基の側に見学に行ったら、車で酔ったように具合が悪くなった。東急の社員に「あなたの子どもを、風車の側で遊ばせますか?」と尋ねたら、答えられなかった。
気仙沼市の議会、市長と行政当局が、これらの切実な声に耳をよく傾けてくれることを願います。