「未来に残そう市民の森」市民との対話 録画公開
2025年5月17日に開催した「未来に残そう市民の森」イベントでの、篠健司氏(パタゴニア日本支社ブランドインパクト、公益財団法人日本自然保護協会理事)と鈴木卓也氏(南三陸ワシタカ研究会事務局)と、市民の参加者との対話パートの録画を公開します。
市民から、市民の森の想い出として、田植え行事、遠足で市民の森へ出かけたこと、修景池の美しさ、今も親子連れが市民の森で憩う光景が見られる、とお話がありました。篠さんから、気仙沼はスローシティ・スローフードも掲げているが、森林には人と自然や人と人の「つながり返し」をしてくれる働きがある。また森林は様々な調整サービス、例えば大気や水の浄化、気候調整、災害防止、静けさで気持ちを和らげる、干害防備、水源涵養など多様な恩恵をもたらしてくれる、と説明されました。
市民から、山歩きが好きで、市民の森の植物などの生物多様性を愛でて楽しんでいる、市民の森にはツツジだけで16種、全植物種で886種もの多様な植生がある、イチリンソウ・クリンソウ・オキナグサなど、四季折々の植物が群生している美しさの紹介がありました。
別の市民も、小学校時代の市民の森への遠足の想い出、マウンテンバイク(オートバイの方)を愛好していて、自転車やバイクで走っても、小さなアップダウンが続いていて、走りがいがあるロードコースが市民の森に整備されている、またトレイルランニングや散策歩きにも向いている森林でもあり、将来トレイルランニングコースを整備して走破したいと夢を語ってくれました。
ご自身もランナーである篠さんも、気仙沼市民の森は、トレイルランやマウンテンバイクなどの野外レクリエーション、ハイキングや散策などに適した、誰でも利用でき・市民がすぐに楽しめる「優しい土地」であると絶賛されました。
医療従事者の市民からは、現代社会の中でストレス・疲れ・問題を抱えている現代人にとって、自然が与えてくれる癒し・安らぎが、いかに貴重な恩恵であるか、また篠さんが紹介してくれた森林などの自然体験が青少年の自立を促すという研究には共感できるという話がありました。
篠さんは、市民の森を実際に歩いて撮影した写真を紹介しながら、長年の市民の働きがあって市民の森が支えられ守られてきたこと、今回の風発のような巨大建造物を森林に建てることの問題点、近年世界の各地で「自然アクセス権」を認め制度化しようとする動きがあり、気仙沼市民の森も市有林=みんなの公共の森であり、誰もがアクセスでき、その恩恵を受けられる公共の森林公園として、大切に守り・整備し・親しんでいくことを強調されました。また鈴木さんは、行政に任せず、市民みんなが参加して森林を整美してきた経験を紹介し、自然と「関わり続ける」ことの意味を語られました。
最後に篠さんは、気仙沼市民の森の「めぐみ」が、これからも「みんなのもの」であり続けるために、どのようなはたらきや運動ができるかを問い続けてください、と締められました。
気仙沼の森と海を守る会代表が、地域と地元の自然を守ることが、世界の環境破壊を止め母なる地球を救うことにつながる、具体的には市民の森を保全する条例を作ろうと市民に呼びかけ閉会しました。